クリーンな自家発電で気候変動に強い電力インフラを目指すカリフォルニア州

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米国全土で、山火事などの気候変動による災害の頻度は増加し、その破壊力も大きくなっています。そうした「新たな異常事態」に直面しているカリフォルニア州では、電力システムの脆弱(ぜいじゃく)性が明るみに出ており、非常時への備えとしてクリーン電力の使用に期待が寄せられています。

カリフォルニア州は主要インフラ会社に対し、火災リスクが高いときには安全策として積極的に停電を実施するよう指示しました。これを受けたインフラ会社は、停電に備えて5日間分の準備をしておくようにと顧客に促しています。

5日間の停電が起こるとどうなるでしょうか。ご自身の家庭や会社に当てはめ、考えてみてください。電気で動く医療機器に命を預けている人にとってはどうでしょうか。せっかくフードバンクなどから提供された数少ない1週間分の食材が冷蔵庫の中でただ腐っていく様子を眺めるしかない低所得家庭にとっては?あるいは、電気が必要な病院や人の命を救う仕事をする救急隊員にとってはどうでしょうか。

電気を使えるかどうかは誰にとっても重要です。ですが、低所得者層や非白人コミュニティー、その他の社会的に立場の弱い人々は特にその影響が大きいと言えるでしょう。火災のリスクが高まる夏後半の猛暑期になると、これから発生するかもしれない停電や災害による影響に対する不安が大きくなり、その不安はこの先も尽きないのです。

住民全体の不安が警鐘となり、カリフォルニア州は未曽有の困難に対応することが求められています。信頼性、強靱(きょうじん)性、公平性のより高い送電インフラの構築に優先的に取り組まなければなりません。救急隊員や緊急避難所、特に災害に弱い人々が何日間も電気を使えない状態だけでなく、信頼性が低く大気汚染源となる化石燃料の発電機が唯一の予備電源となり、それに頼らざるをえない状態を、見過ごすわけにはいかないのです。

非常用ディーゼル発電機は、排出ガスによる大気汚染度が高いことが知られています。暑い季節の非常時は特に、ディーゼル発電機の稼働時間を最小限に抑えなければなりません。カリフォルニア州消防代表局の局長を務めるティム・エドワーズ氏は2019年8月「電力インフラの強靱(きょうじん)性を高めなければなりません。汚染を引き起こすうえに非効率な、非常用ディーゼル発電機を予備電源とするような時代から進歩する必要があります。(中略)電力インフラの強靱(きょうじん)性では、(カリフォルニア州は)ひどく後れを取っています」とコメントしました。

良い知らせも

良い知らせもあります。それは、環境に優しく確かな信頼性を持つ予備電源に必要な技術が、すでに開発されているということです。そうした技術の一つが、太陽光発電と蓄電池の複合発電システムです。このシステムを活用し、停電時でも家庭やオフィス、重要度の高い施設への電力供給が確保された事例がカリフォルニア州の各地で生まれています。

この複合発電システムを導入しておくと、送電網が遮断されたとしても、クリーンな自家発電システムから安全に電力が供給されます。例えば、カリフォルニア州サリナス近くの低所得者コミュニティーが含まれるサンタ・リタ・ユニオン学区では、学区内にある六つの公立校に非常用複合発電システムが導入され、停電時でも無限にクリーン電力を供給できる態勢を整えています。複合発電システムは、停電期間中でも朝から晩まで稼働し続け、必要性が特に高い所に送電します。また必要に応じ、救急隊員や地域社会向けの発電設備付き緊急対応センターとしても機能します。

非常用再生可能エネルギーのメリットは、地域社会や地球環境への汚染を抑えられることだけではありません。化石燃料による発電機は、起動できないときが頻繁にあるうえ、災害時には燃料の供給がストップする恐れもあります。したがって再生可能エネルギーの方が化石燃料よりも信頼性が高いのです。

こうしたクリーンな自家発電システムを使用すれば、壊滅的な火災を引き起こす要因となり得る長距離送電の必要性も少なくなります。使用場所に近い所でより多くの電力を生み出すことができるので、遠くの大型発電所から送電するための電線を少なくすることができるのです。

これらのことから、米国の非営利団体はカリフォルニア州に対し、非常用再生可能エネルギーの普及を2019年の主要優先課題とするよう求め、その方法に関する計画を提言しました。気候変動に対して本当の意味で強靱(きょうじん)な送電インフラを構築するクリーンな自家発電エネルギーソリューションの普及に向け、同団体は州議会や規制当局に対し、早急に実施すべき四つの政策提言を行っています。

  1. 不公平な電気料金や複合発電システムへの障壁から消費者を守ること。電力会社が必要な電力をクリーン電力で賄いたいという消費者に対して、差別的な料金体系の押し付けを禁じること。また不要な役所手続きをなくすよう電力会社に求めること。
  2. カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)やカリフォルニア独立系統運営機関の制度、市場規則を刷新し、自家発電によるクリーン電力や蓄電池が電力市場や送電サービスに参加できるようにし、供給力を校正に評価すること。それにより、大規模な化石燃料発電所や電線を低減すること。
  3. 法律で許される範囲で最大限の資金をCPUCの自家発電導入プログラムに投じ、より多くの消費者が蓄電池を使用できるようにすること。その際、低所得者層や脆弱(ぜいじゃく)な立場にある人々、また火災や停電に比較的弱い地域に住み予備電力を必要とする人々を優先すること。
  4. 消防署や医療施設などの重要施設のほか、停電や災害時に地域住民の避難拠点となる施設に非常用再生可能エネルギー発電システムやマイクログリッドを数千という単位で早急に導入できるよう、地方自治体を支援すること。

気候変動による危機が高まる中、カリフォルニア州は100%クリーン電力で生活できることを目標としています。持続可能性や信頼性が高く強靱(きょうじん)な電力インフラの構築という分野で、カリフォルニア州が米国全土をけん引していく存在になれるかどうかは、同州の取り組み次第です。


本記事の執筆者スザンナ・チャーチルは、太陽光発電の重要性を提唱するアメリカの非営利団体Vote Solarのカリフォルニア州ディレクターです。


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