クリエーティビティーを発揮させる職場作り

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[Publisher] Business2Community

この記事はBusiness2CommunityのStefan Wolpersが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたします。

アジャイルワークスペースとは?ワークスペースを選ぶ職場

アジャイルな(迅速かつ最適な)組織作りのためには、オフィス内のホワイトボードの数を増やすだけでは不十分です。また、「オフィスはホワイトカラーにとっての工場」といった考えや、テーラーイズム(米国のF・テーラーが提唱した、工場の生産管理手法)のように工場内での生産性アップの方法論は、捨ててしまわなければなりません。私たちは今、クリエーティブワーカーの時代に生きているのです。

組織の最適化を実現し、イノベーションを起こすには、さまざまなワークスペースを整備し、クリエーティブワークに柔軟に対応する必要があります。クリエーティブワークは、「集中」「協働」「学習」「交流」の四つに分けられます。また、作業者がその内容に応じて最適なワークスペースを選択できる環境を作ることも重要です。

アジャイルワークスペースに投資の価値あり

そもそも、多様なワークスペースの整備に投資することがなぜ重要なのか、それは投資対象として堅実であるという理由が挙げられます。

米国の建築設計事務所のゲンスラー氏は、独自の「ワークプレイス・パフォーマンス・インデックス®」(社員に行う”集中、コラボレーション、学習、交流“という四つのモードを基準に、一人一人がどんな働き方をしているか分析するもの)に基づき、「2016米国ワークプレイスリサーチ」を実施しました。調査により明らかになったのは、「職場の質と機能性は、従業員が考える自社のイノベーションレベルとの間に統計的な関連性を持つ」ということでした。

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提供: (c) Gensler.

 

つまり、アジャイル化に向けたワークスペース作りへの投資を行わなければ、得られるはずの利益が小さくなる可能性があるということです。また、既に投資をしている企業に後れを取ってしまうことにもなりかねません。

アジャイル化を阻むワークスペースの典型例

クリエーティブワーカーのパフォーマンスを阻害するワークスペースの作りとは、どのようなものでしょうか。典型的な例をいくつか見てみましょう。

  • 仕切りのない開放的な間取り:協働を育み、進捗(しんちょく)状況や情報の共有を促進することでチームの一体感を生み出すとして、アジャイルワークスペースの理想形とされることも多い、開放的な間取りのオフィスです。しかし一方で、オープンなオフィスだと話し声や雑音が聞こえてきて、仕事に深く集中できないと考えるクリエーティブワーカーも多いようです。(関連記事:静かに。デベロッパーが集中できる環境を。スタック・オーバーフローChief Executive Officer(CEO)ジョエル・スポルスキーの助言
  • フリーアドレス制:スペース節約のために考案されたフリーアドレス制は、アジャイルなチームの協働を妨げます。フリーアドレス制ではチームメンバーが分散し、1カ所にまとまりません。また、チーム内の信頼関係や協力関係を強化するのに不可欠な「自分の机」という心理的なよりどころの一部が失われることにもなります。
  • ホワイトボードの不足:アジャイルな組織では、「オフィスの壁はほぼすべてホワイトボード」と決めることで、いつでも協働できる環境を整えるべきです。ガラスやレンガの壁は見栄えは良いかもしれませんが、思い立った時にすぐに協働することができず、アジャイル化の妨げとなってしまいます。

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提供: (c) Adrian Kerry.

また、仕事は家でしたいというメンバーがいれば、注意しましょう。社内の職場環境がアジャイル化を妨げている重要な証拠となります。決して在宅勤務を望む従業員が、アジャイルなチームや仕事に向かないわけではありません。ただ、オフィスではできないような、1人で集中しなければならない仕事を進めるためという可能性もあります。

これと同様に、耳栓やヘッドホンを付けているメンバーが多いことも、職場環境がアジャイル化されていないことを示しています。

アジャイル化には、多様なワークスペースが必要

組織のアジャイル化を実現するには、多様なワークスペースを整備し、「集中」「協働」「学習」「交流」といったあらゆる形のクリエーティブワークに対応できることが重要です。

  1. ワークショップなどを開催するため、あらゆる用途に対応できるようなフレキシブルで広いスペースが必要です。例えば、プロジェクトの関係者を10人招いて計画をマッピングするワークショップを行うなら、少なくとも10メートル幅のホワイトボードがほしいところです。(参加者1人につき大体1メートル)
  2. 見た目は、機能性の次です。見栄えが整ったスタイリッシュなオフィスは、必ずしもクリエーティブワーカーのニーズを満たすとは限りません。
  3. チームに一体感をもたらすには、ある程度振り分けが決められたワークスペースが必要です。オープンなオフィスで自由に席を選ぶフリーアドレス制は、アジャイル組織には向きません。
  4. 少人数チーム(2〜6人ほど)用の協働スペースが必要です。
  5. 仕事に集中するため、落ち着いた空間も必要です。
  6. いつでも集まって、2~3名で会議を行えるスペースが必要です。
  7. アジャイル組織には、仕事仲間だけでなく、さまざまな人と交流できる場として、カフェなどのスペースが必要です。カフェは、思いもよらなかった人と出会える場です。
  8. 従業員が普段快適に過ごしている環境から、あえて外に出られるように、ワークショップなど社外の定期イベントへの参加予算も、組織には必要です。慣れ親しんだ場所に長期間いると、イノベーションに必要な刺激が足りなくなります。いつもと違う状況では緊張感が高まるという人間の本能的な性質を、うまく利用しましょう。

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最高のアジャイルワークスペースを作るには

最近では、建築雑誌に載るような見栄えの良いワークスペースを作っても、意味をなさなくなってきています。高い生産性をもたらすアジャイルワークスペース作りのためには、ワークスペースを作ろうという計画が始動し始めた早い段階で、チームメンバーを巻き込むことです。建築家やインテリアデザイナーから受け取ったコンセプトをそのまま採用してはいけません。アジャイルワークスペースを作るにあたっては、透明性や対話、インクルーシブなど、アジャイルで大切にされている考え方にのっとって進めることが重要です。

最後に

多くの場合、アジャイル化を実現するには、今あるワークスペースを変更する必要があります。ホワイトボードを多少買い足すぐらいでは、実現できません。

アジャイル化のためには、「集中」「協働」「学習」「交流」といったあらゆる形のクリエーティブワークを促進する環境が必要です。また、クリエーティブワーカーが各自の仕事内容に応じて適切なスペースを選べるようにすることも重要です。

最後になりますが、アジャイルワークスペース構築時には従業員を巻き込むことが大切です。構築の初期段階から関与した方が、従業員の意識が高まるからです(イケア効果をご活用ください)。

あなたの組織ではアジャイル化実現に向け、どのような取り組みを行っていますか? 

この記事は、Scrum.org Blogに掲載されたものをもとにしています。

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