転職者はなぜ企業への貢献度が高いのか

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[Publisher] The Guardian

この記事はThe GuardianのMegan Orpwood-Russellが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたします。

企業の採用の現場では、新卒採用に依然として集中しています。しかし、この大卒という型にはまらない、ある程度の年齢になってから高等教育を受けた人物や大学院生を対象外と見なすことで、優秀な人材を逃している可能性もあります。

中途採用はセカンドキャリアを希望する人材の宝庫のため、雇用主にとっても有益です。それは、経験があり即戦力になる応募者が多いというのが理由ではありません。ある程度年齢を重ねた応募者の場合、地に足のついた、自立した考えを持っており、職業倫理もすでに確立しています。新しい資格を取得する、あるいは転職するなど、その状況に関係なく、このような人々が再び学ぶことを決断するときは、他の会社でも通用するスキルを持っていると自覚しているということを考慮に入れることが重要です。

通信教育や夜間や休日に通える履修制度のある大学もあり、自身が納得行く方法で学びたいという人が増えているのです。このことはつまり、大学での就活フェアに参加しない、あるいは全国の「仕事しながら学ぶ」学生、大学院生、卒業生と就職先を結ぶOpportunityHubの「Open University(OU)」(オンラインで利用できる大学の中の学生・卒業生と企業を結ぶ就職サイト)などのツールを活用しない採用担当者は、多彩で豊富な経験を持つ人材を見逃している可能性があると言うことです。

2017年の調査では、35歳から54歳までの6人に1人が職場に不満を感じており、35歳は「仕事が嫌になる時期」と回答しています。つまり、このグループに属する人々が転職を考えるのは不思議なことではありません。調査によると、もっとやりがいのある仕事がしたいという意識が、自分の今後を考える引き金になることも多いようです。例えば、オリンピックの金メダリスト、ブラッドリー・ウィギンス氏は、OUで社会福祉の勉強を始めるつもりだと言うことです。

学び直しと言う経歴があると不利になるのではと不安に思う人もいますが、意欲があることを企業にアピールできるチャンスでもあります。

OUが持つキャリア・就活サービスの雇用主担当責任者であるエマ・ロウ氏は次のように語っています。「OUでは、転職を希望する学生や転職で有利になるような資格を取る人材が多いです。私たちが調査したところ、企業は勉強する人材を高く評価する傾向があるようです。そういった人材は何らかの犠牲を払って資格取得に取り組んでいます。意識が高く、熱意のある従業員になる可能性があるのです」。

ノーザンプトン総合病院の専門職・臨床人材育成のアソシエイトディレクター、ジリアン・アシュワース氏は「セカンドキャリア、つまり転職市場での人材は、仕事熱心で真面目な上、職務に自分の貴重な体験を生かすだけでなく、周りに手助けを求めることを恐れません。彼らは簡単にキャリアを捨てませんし、すでに定住しているので、資格取得後も病院に残って勤務してくれる人がほとんどです。当院のスタッフの中のOU卒業生は、適応能力が高く、気持ちの切り替えが早い上、自発的で優秀な看護師が多いです」。

雇用者にとって、優秀な人材を引き留めておきたいのは当然のことです。オックスフォード・エコノミクスの調査によると、辞めた人材の後任を育てるには、トレーニング費用や引き継ぎを考えると、約30,000ポンド(約421万円)の費用がかかることが明らかになっています。転職者の方が、仕事に対して熱心であると採用担当者が言うのは、彼らが転職に向けて必死に努力した結果、新しい仕事にやりがいを感じているからからもしれません。

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自分の今後を考える人にとって、転職にはリスクがないわけではありません。新しい資格が必要なら取得するための費用と収入が減ることへの対策をじっくり検討する必要があります。採用担当者は、将来的な役職(昇進)の可能性について意図的に採用候補者に伝えることで、彼らの不安を和らげることができます。転職後もサポートしてもらえることがわかれば、安心してキャリアを移行できるでしょう。

英国国家統計局(ONS)は、2019年4月、「転職しない人」は経済的な安定性が高いものの、転職した人は収入が増えるケースが多いとの報告書をまとめました。同報告書によると、民間企業ではなく、公共事業に従事する人材は、民間と比較すると仕事を続ける割合が圧倒的に高いこともわかりました。これは、例えば、NHS(英国の国営医療サービス事業)でセカンドキャリアのための再教育を受けた人は、転職後の職務を続ける傾向が高いとのことです。

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