BBCが女性キャスターをクリエーティブ・ダイバーシティ部長に任命

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[Publisher] The Guardian

この記事はThe GuardianのJim Waterson Media editorが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたします。

マイノリティーコミュニティーに関する情報を発信するため、英国テレビ局BBCは女性ニュースキャスターのジューン・サルポング氏を採用しました。BBCが番組司会者であるナガ・マンチェッティ氏を「編集指針違反」と処分したのに対し、局内から疑問視する声が寄せられており、これに対応したものと見られます。

ジューン・サルポング氏は、英国4チャンネルの午前9時~午後2時枠番組の元プレゼンターであり、BBC初のクリエーティブ・ダイバーシティ・ディレクターに指名されました。マイノリティーコミュニティーに関する情報発信を統括し「BBCの放送におけるタレントを使った表現と出演料」を改善する権限を与えられています。また、サルポング氏は、番組制作に関わるスタッフのダイバーシティの推進も担当する予定です。

彼女が任命されるに際しては、マイノリティー出身のスタッフがこういった幅広い権限を持つ役職に抜てきされることに対して、懸念する声が局内から上がっていました。

BBCニュースの編集長、カーマル・アフマド氏は、2019年10月3日(木)の午後、局内の記者に対して「入社してから5年の間、心もとない言葉を耳にしてショックを受けたことがある」と答え、一方、ある少数民族出身の著名なリポーターは、このような社内の懸念は「私たちのことを信用しないでください」と言っているようなものだと語りました。

ガーディアン紙にリークされた(BBC局内の)ミーティングの録音音源によると、今後のBBCの公平性を維持するための規則や取り扱うトピックの選択方法について、緊迫したやり取りが行われたことが明らかになっています。あるジャーナリストは、LGBTの権利に関するトピックが「物議を醸すためのテーマ」として扱われることに不満を漏らしています。

サルポング氏は、MTVの司会でデビューを果たし、英国4チャンネルの若者向け番組のキャスターとして長く活躍しました。彼女は、2016年の英国で行われた欧州連合(EU)離脱是非を問う国民投票で、離脱反対を呼びかける運動の立ち上げを支援したほか、さまざまなダイバーシティに関連する問題に取り組んでおり、書籍も2冊執筆しています。

サルポング氏はBBCと2年の契約を結び、今後は、週3日勤務する予定です。BBCの執行役員会にも出席することになります。ちなみに、執行役員会は、編集指針違反の司会者マンチェッティ氏に対する処分を支持する公開文書に署名しています。

また、サルポング氏はSky Newsの「The Pledge」やITVの「Loose Women」などの討論番組のパネリスト役を継続することも認められており、BBCの編集指針に縛られることなく、公益性のある話題に関して自由に意見を発信することができるのです。

この異動は2019年5月に公表されたもので、その後も調整が続いていたため、BBCは「今回のサルポング氏の任命とマンチェッティ氏に関する件は無関係だ」としています。BBCは、2020年までに、従業員と管理職の15%をマイノリティー出身者にすることを目標に掲げており、現在もその目標に向けて進んではいるものの、「経営幹部レベルにおいては、引き続き取り組みを続ける必要がある」と認めています。

サルポング氏は次のように述べています。「BBCが目指すのは、幅広く、多様性に溢(あふ)れた視聴者の方々の気持ちを代弁できるような放送局になることです。この目標に向かって、上層部も巻き込みながら挑戦できることを楽しみにしています。

もちろん、困難な道のりであることはわかっています。それでも私は、豊かな才能を持つ人が公平に競い合える環境を整える機会を得たのです。これは私がこれまで直面してきた、障壁や差別も役に立つことでしょう」。

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