おいしいビールを楽しもう!水耕栽培で一年中、新鮮なホップをつくる

f:id:ORIX:20191121235803j:plain

自家製クラフトビール用に栽培されている摘みたてのホップ

[Publisher] Food & Wine

この記事はFood & WineのMike Pomranzが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたします。

毎年、ビールの原料であるホップの収穫シーズンになると、ビール好きにはたまらないこの時期限定のウェットホップビール(採れてから24時間以内の乾燥させていない生のホップを使用したビール)が登場します。通常は、ホップを出荷する前に乾燥させますが、畑で収穫したホップを乾燥させず直接仕入れると、摘みたてホップの独特の風味を生かしたビールを造ることができます。ホップは年に1回(南半球を入れれば2回)、気候条件が整った8月末にしか収穫できません。しかし、自然のおきてを破り、米国・アリゾナ砂漠で一年中収穫できるウェットホップをつくろうという先進的な農家がいるのです。

グレッグ・ステルツァー氏と息子のカイル氏は、米国・アリゾナ大学マリコパ農業センターの貸しスペースに設けた水耕栽培場で、24時間稼働のホップ農園「24 アワーホップ」を運営しています。この取り組みを取材したアリゾナ・リパブリック紙によると、グレッグ氏は3年前に出会ったウェットホップビールにほれ込み、このアイデアを思いついたそうです。原料であるウェットホップの収穫を増やすため、自宅ガレージの人工灯の下で蔓の栽培から始めました。

「このような方法を行っているのはうちだけです。世界中探しても、通年でウェットホップを栽培している農園は他にありません」と彼は取材で答えています。

24 アワーホップの栽培設備は、自宅とアリゾナ大学でつくったプロトタイプよりも改良されたものになっています。運営して1年になる24アワーホップは、間もなく2回目の収穫を行う予定です。「曇って日照不足の日、普通の農家が文句を言うところ、ここでは照明を増やすことで日照不足を解決できます。水耕栽培の水をコントロールして、毎日与える栄養素を変えるという独自の方法を取り入れています。つまり、必要な時に必要な栄養をホップに与えるのです。最高品質のホップを育て、収穫するため、毎日水を取り換え、必要な栄養を最適な量で与えているのです」。

現時点では、24アワーホップは、少量のホップでまかなえる規模の自家醸造家のみを対象としています。大手メーカーの使用量に見合う大量のホップを栽培する試みは、まだ実現していません。それでも、次世代の技術に注目するメーカー各社にとって、この一年中ホップを栽培するというアイデアは魅力的であることは確かでしょう。

ページの先頭へ

ページの先頭へ