プラスチック包装を減らせないか?英国女性起業家の挑戦

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[Publisher] Guardian

この記事はThe GuardianのDonna Fergusonが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたしします。

すべての始まりは、1匹のネズミでした。自宅に住み着いたネズミの被害を防ぐため、スーパーで買ってきた食材を一つずつ開封してガラス瓶に詰め替えていたキャサリン・コンウェイさん(42)。彼女にあるアイデアがひらめいたのは、そんなときでした。「はっきりと覚えています。ある日、容器や袋を両手に抱えながらふと思ったのです。何もかもお店で瓶に入れてもらえないのはどうしてだろう、と」。2005年のことでした。社会や環境に良い効果をもたらすビジネス設計について学んでいた経験があった慈善活動家のコンウェイさん。「そのときは20代後半で、子どもはいませんでしたし、ローンもありませんでした。そして仕事では、何か面白いことをしたいと考えていました」。

コンウェイさんは、ロンドンの中心街に包装レスの屋台を開くことにしました。エコベール(国連が認めたエコ洗剤)の掃除用品からシリアル、ナッツ、ドライフルーツ、米まで、乾燥した製品なら何でも取り扱い、容器を持参した人だけが商品を購入できる店です。「始めてすぐに一部の人たちの間で人気になりました。容器包装には問題があることを知っていて、自宅に袋などを持ち込みたくない私のように解決策を求めている人たちにです」。

それから14年がたち、2019年5月末、ウェイトローズ(英国の高級スーパーマーケット)が包装レス販売のテストを開始しました。テストはオックスフォード内の店舗で行われ、利用客は持参した詰め替え容器で、さまざまな商品を購入できます。店舗のコンセプト設計とテストの計画にあたり、ウェイトローズが助けを求めたのがコンウェイさんでした。コンウェイさんは現在、アンパッケージド(Unpackaged)と呼ばれる小売店コンサルティング業を営んでいます。小売店「プラネット・オーガニック」のある店舗の一画に包装レス販売スペースを作ったのが始まりで、それがウェイトローズをはじめとするスーパーの目にとどまりました。

「詰め替え容器に切り替えてもらうため、ありとあらゆる方法を試しました」とコンウェイさんは話します。すぐに成功はしませんでした。小売業の専門家から、そのコンセプトはスーパーでは絶対にうまくいかないと言われる日々が何年も続き、諦めようと考えたことも何度かあった、と打ち明けるコンウェイさん。「ようやく人々に変化が現れたのは、この問題に対する一般市民の意識が変わったときでした」。

その瞬間は、2017年12月にやってきました。きっかけは、自然ドキュメンタリー番組『ブルー・プラネットII』で、今では有名なプラスチック汚染のエピソードが放送されたことでした。一夜にして、プラスチック容器包装に対する一般市民の反感が大きく波打ち始め、コンウェイさんはその波に自分が乗り始めたことを感じました。「ブルー・プラネットが放送されてからは、容器包装のあらゆる側面ががらりと変わりました」。

プラスチックゴミに絡まった海の生き物の映像を目の当たりにしたことで不安を覚えた視聴者は、自分たちの習慣を今すぐに変えなければならないと気付いたのです、と話すコンウェイさん。「あの番組がスイッチを入れたのです。アッテンボロー氏(ブルー・プラネットの語り部であるデイビッド・アッテンボロー)という素晴らしい人物に語りかけられたとき、視聴者はそれをお説教のようには感じませんでした。彼はただ、これは人間が対処すべき現実の問題であり、対処する以外に選択肢はないのだという事実を伝えていたのです」。

突如として、再利用可能なコーヒーカップや紙素材のストローなど、プラスチック容器包装のゴミを減らす方法を新たに見い出すことがファッショナブルでクールな認識になったとコンウェイさんは話します。プラネット・オーガニック(英国の自然食品専門スーパーマーケット)でも、以前は恥ずかしがって容器を持参できなかった人々が持参するようになりました。同店舗での包装レス商品の売り上げは、1カ月で40%の増加を遂げました。イースターを祝う4月頃には、プラネット・オーガニックはアンパッケージドのコンセプトを別の3店舗にも取り入れ、そして夏が終わる頃、ウェイトローズもその動きに加わりました。

「まさに追い求めていたチャンスでした」と話すコンウェイさん。「ウェイトローズも心構えはできていました。道徳的にこれが正しい行為です。あとはビジネスモデルを構築するだけです」。

11週間かけて行われるウェイトローズのこのテストでは、包装レス販売の売り場のコンセプトを実験するだけではなく、詰め替え商品売り場の人気も測られます。店に入ると同時に利用客の目に飛び込むのは、”容器包装ゴミを減らそう、詰め替え容器を持参すると10%割引になる”といった環境意識を刺激するメッセージの数々です。

サプライチェーンの物流から利用客による詰め替えのプロセス、マーケティング、スタッフ研修に至るまで、あらゆる面でウェイトローズに助言を行ったコンウェイさんにとっては、夢がかなった1週間となりました。「ここ数日間で一番うれしく感じたのは、容器を持参しても良いのだと人々が進んで口にしていたこと、それから、今までとは違う方法で取り組まなければならないのだと気付いてもらえたことです」。

これとは対照的に、詰め替え容器を使った商品の販売をコンウェイさんが始めた当初は、容器包装の何が問題なのかと多くの人々に言われていました。「これまではなかった意識が今はあります。変化を求めているのだと人々が声を大にして主張するようになっています」。

コンウェイさんは現在、2~3社の別の大手スーパーとも話を進めているところです。それらのスーパーもすべて、半年から1年のうちに包装レス販売のテストを開始する予定です。スーパーには今、容器包装に対するアプローチを変えるべきだという「大きなプレッシャー」がかかっているとコンウェイさんは言います。「包装レス販売をなぜ導入しようとしないのかと不満を持つ利用客からの多数のクレームを店舗スタッフは直接受けています」。グリーンピース(非政府の自然保護団体)などの社会運動組織も、スーパーのプラスチック対策方針をランキング形式で評価した成績表を作り、スーパーに責任を持たせようと取り組んでいます。

2018年12月に英国政府が発表した廃棄物に関する新たな政策では、リサイクルしにくいプラスチックを販売した場合、スーパーなどの小売店は罰金を科せられる可能性があります。一方、リユースやリサイクルが簡単な容器包装に関しては、廃棄にかかる料金が低く設定されています。

「ウェイトローズでの取り組みを通し、他のスーパーにも今こそ奮い立つときだということを示せればと願っています」とコンウェイさんは話します。しかしコンウェイさんが最終的に目指しているのは、利用客が返却・再利用可能な容器でブランドが商品を販売したり、ある家庭への配達後に使用済みの容器を別の家庭へ再配布したりと循環させる仕組みをスーパーが構築することなどによる、システム全体の変化です。

「こうしたシステムの導入も、3年から5年のうちに始まると思います」とコンウェイさんは言います。

しかし今は、コンウェイさんはこの1週間の大成功をじっくり味わっているところです。「自分たちの話にスーパーが耳を傾けてくれます。ようやく、声が届いていると感じられるようになりました」。

容器包装をやめる

ボディーソープ、シャンプー、コンディショナーなどを容器タイプから、固形タイプのものに替えましょう。

マイボトルを使う

中身を詰め替えられる水筒を持ち運びましょう。Refillアプリ(カフェなどに給水スポットを作り、水筒を持ってきた人に無料で給水するサービス)をダウンロードして、近くの給水スポットを探しましょう。

冷凍庫ではプラ袋を使わない

プラスチック製のフリーザーバッグではなく、生分解性の透明袋を購入しましょう。

ラップを使わないようにする

ラップの代わりにクッキングシートを使いましょう。茶わんやお皿にぴったりとふたをする必要があるときは、繰り返し使える蜜ろうラップを選びましょう。

再利用できるボトルを使う

ガラス瓶を返却して再利用できる牛乳配達を利用しましょう。findmeamilkman.netでは、最寄りの配達業者を検索できます。

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