世界初となる無人搬送車の量産が中国で本格化

f:id:ORIX:20190801191503j:plain

[Publisher] Bloomberg

この記事はBloombergのBloomberg Newsが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたしします。

(Bloomberg) --未来の配送の主役はドローンではなく無人搬送車になる可能性も。

中国のスタートアップ企業である新石器(ネオリックス)は5月24日、無人搬送車の量産を開始しました。無人搬送車の量産は自社が世界初だという同社ですが、取引先には、京東商城(JDドットコム)や華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)などの大手企業が名を連ねます。ネオリックスは規模を拡大し、ミニバンの形をした1000台の車両を1年以内に納品できると見込んでいます。

その影響は非常に大きいものとなります。阿里巴巴集団(アリババグループ)の創業者であるビリオネアのジャック・マー氏は、中国の宅配市場は10年以内に1日あたり10億件の規模に達すると予測しており、この技術の商業化は、人を運ぶ自動運転車に生かすことができると考えています。この分野に取り組む企業は、ネオリックスだけではありません。米国・シリコンバレーのニューロは今年、約10億ドルの資金調達を果たし、アリゾナ州での食品雑貨の配達を始めようとしているところです。

ネオリックスの創業者であるユー・オンエン氏は、北京にある自身のオフィスで行われたインタビューで「馬車から自動車へ時代が移り変わったように、無人の車は世界を変えるでしょう。自分のすべてをかけて挑む価値のあるものをずっと探してきました。今取り組んでいることが、まさにそれです」と語りました。

ユー氏はこれまで、外部からのアクセスを閉ざした大学のキャンパスのような研究施設で、100台以上の車両の試運転を行ってきました。ネオリックスの無人搬送車の価格は普通車とほぼ同じで、1台3万ドルです。

以前は物流業界向けのスマートツールの開発を行っていたというユー氏は、商品の配達というのは未来の始まりにすぎない、と語ります。ユー氏が思い描く未来は、自動販売機を積んだたくさんの無人搬送車が街中を走り、24時間年中無休であらゆるものを提供し、消費者の買い物を助けてくれるような未来です。

ユー氏の自信の源となっているのは、中国のeコマースブームです。このブームの中、時価総額4000億ドルに及ぶマー氏のアリババ・グループ・ホールディングをはじめとして、数々の巨大企業が誕生しました。

人間もスマートロッカーを発明するなど効率を高めようとはしていますが、自動化の脅威が増大しつつあることは疑いようのない事実です。無人搬送車なら給料が必要な配達員の必要がなくなり、人間が運転するより事故が減ることも確実です。

こういった技術にも、一つ制約があります。人がその場にいて荷物を受け取るか、1階の車両で行ける場所にしか荷物を下ろせないのです。これに対しフォードモーターは、車から玄関先まで荷物を運ぶ二足歩行の小型ロボットを解決策として提案しています。

人を乗せて運ぶ自動運転車に関しては、規制上の大きな難題が残っていますが、無人搬送車の場合は、そこまで大きな障壁はなかったとユー氏は言います。同社の無人搬送車は現在、北京の南西100kmに位置する新経済区域「雄安新区」に加え、北京の一部地域や常州市でも運用されています。

無人搬送が台頭し始めているのは、中国だけではありません。米国のフェニックス-ダラス間でも、大型の自動運転トラックが郵便物を輸送しています。ニューロも、スーパーマーケットのクローガーと提携し、アリゾナ州スコッツデールで12月から自動配達サービスを提供しています。

配達員向けのスマートロッカーなどの物流製品を手掛けていたユー氏が無人搬送車への進出を決めたのは、2016年のことでした。筆頭株主となるユー氏を始め、汽車之家(オートホーム)創業者のリ・シャン氏、ベンチャーキャピタル企業の雲啓資本(ユンチ・パートナーズ)、耀途資本(グローリー・ベンチャーズ)などがネオリックスの出資者となっています。

常州市東部にあるネオリックスの第1工場では、年間3万台以上の車を生産することができます。売り上げが伸びれば、パートナー企業と共同で中国国外にも工場を設立しようと考えている、とユー氏は言います。ネオリックスは現在、新たな取引先としてスイスや日本、米国などの国々との交渉を進めており、5年以内に年間販売台数10万台の達成を目指しています。

「一番小さな製品から始めたいと思っています」とユー氏は言います。「自動運転車が私たちの日常生活に入ってくる頃には、100万台以上の無人搬送車が運用される時代になっているのではないでしょうか。そしてそのとき、自動運転車のメーカーが自動運転技術を支えるキードライバーになるでしょう。」

ページの先頭へ

ページの先頭へ