【サーキュラーエコノミー】大手消費者向けブランドが製品容器の回収を開始

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[Publisher] Bloomberg

この記事はBloombergのEmily Chasanが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたします。

環境保護と言えば「3R(Reduce(削減)、Reuse(再利用)、Recycle(リサイクル))」ですが、リサイクルのみが注目され、取り上げられることがほとんどです。そこで、世界最大の消費者向けブランドが二つ目の「R」に焦点をあて、再利用できる容器で製品を販売するプログラムを発表しました。容器を返却すると、返金が受けられる仕組みです。

「ループ(Loop)」と呼ばれる耐久容器プログラムは、ごみを出さない理論的な循環経済を指すと、ダボスで開催された世界経済フォーラムで紹介されました。ニュージャージーに本社を置くリサイクル会社、テラサイクルが中心となって、ネスレ、ユニリーバ、プロクター&ギャンブル(P&G)、ペプシコなど約25社の人気商品を再利用可能な容器で販売するもので、顧客はオンライン注文または店舗で製品を購入し、使い終わった容器をメーカーに返却することができます。

この取り組みを見ると、1940年代の牛乳配達など現在も回収が行われているガラス瓶のシステムを思い出します。ただし、いろいろな意味で過去のモデルの方が優れていたと、テラサイクル創設者のトム・ザッキーは言います。「牛乳配達のモデルでは、容器は販売店が所有していたので、このようなごみは出ませんでした」

プラスチックの80%近くが埋め立て地に廃棄されるほか、海に流出しています。中でも食品包装は、環境破壊で非難されがちなビニール袋やプラスチックのストローよりも多くの廃棄物を生み出しています。「いったん廃棄されてしまうと、プラスチックごみはリサイクルしたり、きれいにしたりすることができません。まず、ごみの流れを変える必要があります」と、ザッキー氏は言います。

2019年5月中旬までには、ループの製品はパリではスーパーマーケットのカルフールを通して、アメリカではニューヨーク、ニュージャージー、ペンシルバニアで、WEBで販売される予定です。テラサイクルは、アメリカとトロントでの食料品に関するパートナー契約をまとめているところで、年内にはロンドンのテスコでも販売が開始されます。東京では、2020年の導入を目指しています。

顧客が容器を返却すると、ループが回収したデポジットが払い戻されます。UPS(アメリカの貨物運送会社)は追加料金なしで空き箱を回収します。製品の輸送や再利用の準備に必要なエネルギーを考慮しても、このプログラムは廃棄物を削減すると、テラサイクルは述べています。プラスチック廃棄物が海へ流出するのを止めることはできませんが、容器を3~4回使えば、環境を保全するための生産コストを回収することができます。

いくつのかのブランドは自社のプロダクトデザイナーと共に、耐久性のある容器を開発しています。クロロックスのウェットシートは光るアルミの筒、トロピカーナのオレンジジュースやヘルマンのマヨネーズは耐久ガラス容器に入った状態で販売されます。ハーゲンダッツのために、ネスレは二重構造のアルミ容器を開発しました。これは、使い捨ての容器よりもアイスクリームを冷たい状態で保つことができます。

「容器を再利用することで、別の複雑な問題も起こります」と、ペプシコグローバルスナックグループ社長のサイモン・ローデン氏は言います。同社のデザイナーは、新しいデザインでも「新鮮で異物が混入していない」イメージをキープし、何度も洗って使えるようにしたいと考えました。他の事業分野でも再利用可能な容器に社運を賭けており、特に注目するべきなのが総額32億ドルでソーダストリームを買収したことです。

「私たちはプラスチックが無駄にならない世界を目指しています」と、ローデン氏は言います。「今回のような試みは、再利用可能モデルの将来的な可能性や取り組みを拡大する能力の評価に役立ちます」。

容器の製造には二倍のコストがかかるものの、消耗品の減価償却に関する会計基準によってコストは相殺されます。

テラサイクルは、このプロジェクトに約1000万ドルを投資し、フリーキャッシュを使って資金を調達しました。「確かに大きな賭けですが、やってみるべきではないでしょうか?」と、ザッキー氏は言います。「団塊の世代は、この取り組みをなつかしがって『昔はこうやっていたものだ』と言うでしょうし、ミレニアル世代は『プラスチックごみはもううんざり』と言うでしょう」。

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