世界初、3Dプリンターを使った人工心臓作製に成功

f:id:ORIX:20190708154450j:plain

[Publisher] Digital Journal

この記事はデジタルジャーナルが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたしします。

(テルアビブ)世界的に移植用臓器が不足しており、世界の医学研究者たちは人工臓器の作製の研究を進めています。その第一歩が、3Dプリンターを使った心臓の作製です。

イスラエルの研究グループが血管と人間の組織を備えた小型の心臓を3Dプリンターで作製することに成功しました。これは医学の歴史に刻まれる飛躍的進歩であり、この心臓は、人工臓器移植の実現に近づく大きな一歩と考えられます。心臓疾患のある末期心不全患者の治療法は現在、心臓移植以外ありません。臓器移植に関しては、手術自体の危険性や臓器の拒絶反応などのリスクだけでなく、移植に適合する臓器の不足など、さまざまな問題があります。

テルアビブ大学の研究グループが採用したアプローチは心臓組織工学*1 の範疇であり、心臓細胞や3D生体材料を使った代替医学への関心を集めています。

詳細を読む:人工透析に使用できる人工血管を開発

臓器移植の成功率を高め、拒絶反応の確率を下げることに重点を置くという意味で、現在の生物学的技術は患者を最優先したものになっています。研究グループは、血管と血液の潅流機構(臓器や組織に液体を流す機構)まで備えた厚手の心臓パッチを3Dプリンターで作製し、心臓の代わりに機能させられることを概念実証研究で証明しました。初めて作製された心臓は小さく、さくらんぼぐらいの大きさしかありません(ウサギの心臓と同じくらいの大きさ)。作製された心臓は、理論上は免疫学的、細胞学的、生化学的、解剖学的特性で患者に適合するはずです。今回のプロジェクトが成功したことで、もう少し大きな心臓を作製し、人間への移植の適合性確認を目指し、さらに研究を進める道が開けたと言えます。ただし、取り組むべき問題は数多く残っています。人工心臓の組織は収縮できるものの、ポンプ機能(血液を送り出す機能)はありません。

今回のプロジェクトを統括したタル・ティビー教授はデイリーテレグラフ紙のインタビューに次のように答えています。「おそらく10年以内に世界中の病院に生体組織を印刷できる3Dプリンターが設置され、こうした治療法が日常的に行われるようになるでしょう。」

研究成果は、アドバンス サイエンス ジャーナルに「3D Printing of Personalized Thick and Perusable Cardiac Patches and Hearts(灌流できる厚手の心臓パッチと人工心臓の3Dプリント)」というタイトルで査読された論文が掲載されています。

ページの先頭へ

ページの先頭へ