テスラのリースプログラムはライドシェア市場を破壊するか?

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[Publisher] Real Simple

この記事はReal Simpleのケイティ・ホルデフェールが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたします。

Photo via Zach Shahan, CleanTechnica

テスラは最近、車両のラインナップを入れ替えたり、価格を上下させたりして顧客を翻弄しているようです。実はそこには、最近の価格変更に埋もれてしまい、ほとんど注目を集めていませんでしたが、自動運転によるライドシェアネットワークを展開するという、テスラの将来的な計画の鍵となる発表がありました。

テスラはModel 3のリースプログラムを開始しましたが、これにはリース期間の終了時に顧客が自動車を購入するオプションがないという非常に珍しい規定があります。

「所有ではなくリースを選択したお客さまは、リース終了時に車両を購入するオプションがないことにご注意ください。理由としては、将来、無線によるソフトウェアのアップデートを通じ、完全自動運転を実現させ、これらの車両をテスラのライドシェアネットワークで使用することを構想しているからです」と同社は説明しています。

テスラはもちろん、これまでもテスラ・ネットワークについて情報を公開してきました。テスラ・ネットワークにより、テスラや顧客が所有する車両を、しばらくの間、ロボタクシーとして展開することが可能になります。Model 3に自動運転でのライドシェアを可能にするために設計された機能が搭載されていることは広く知られています。

テスラは、完全自動運転機能やそれに近い機能の提供が非常に近づいていることを示してきましたが、懐疑的な見方もあります。グーグルとそのグループ企業ウェイモや、その他ロボット開発のパイオニアと協力してきたブラッド・テンプルトン氏は最近、フォーブスにオートパイロットのレビューのレビューを寄稿し、そのシステムは「ライドシェアのネットワークの運用に必要な能力レベルからはほど遠い」と主張しています。

もちろん、今から3年後、リース契約が期間満了を迎えるころには、テスラ・ネットワークが稼働しているかもしれません。テンプルトン氏はより新しい記事の中で、このネットワークにオフリース車(リースが終了した車)を使用するというテスラの計画は懸命なものであり、テスラがロボカー競争において競合他社を凌ぐいくつかの優位性をもたらす可能性があるとの見方を示しています。


テスラModel 3の内部 (Image via Tesla)

テスラのライドシェアサービスを開始する準備が整えば、あまり使われていないオフリース車を使うことは、新車を使うよりはるかに効率的だということが分かるでしょう。テンプルトン氏は、「リース利用者が、最初の3年間で車に対して起きる多額の減価償却費を支払います」と説明し、「ライドシェアサービスの利用者は、利用する車が新車であることを求めていません。リース後の清掃サービスがしっかりしていれば十分でしょう」と指摘しました。

技術革新のペースが速いことを考えると、オフリース車をロボタクシーに変えるには、ハードウェアのアップグレードが必要になる可能性が高いように思われますが、車両の設計と製造を行っているテスラにとっては簡単なことでしょう。テンプルトン氏は、「競合他社が中古車を購入して改造することはできるが、車を設計していないと、ロボタクシーに変えることは難しいでしょう」と述べました。

ウェイモ、クルーズ、Zooxなど、ロボタクシー事業に進出しようとしている自動車メーカーでない企業は、不利な立場からのスタートになります。テンプルトン氏は、そうした企業は「新しい特注の車両を使用するだろう」と述べ、「運賃でそのコストを回収する必要があり、運用コストの大部分は車、特に電気自動車の減価償却費になります。テスラはそれに比べ、はるかに低い中古車の減価償却のコストを回収するだけでよいのです」と指摘しました。

もちろん、テスラ以外の自動車メーカーもオフリース車をロボタクシーにするテスラのモデルを模倣できますが、その場合、他社メーカーは今から戦略を立て始めなければなりません。

テスラはライドシェア競争の中では、競合他社にいくらか遅れをとっています。ウェイモは限定的ではあるものの、すでにロボタクシーのサービスを開始していますが、テスラのサービスを始める準備が整った場合は、テスラの持つオフリースのModel 3の在庫がコストの面で大きく優位になるでしょう。


しかし、テンプルトン氏は、その優位性は長続きするものではないと考えています。Model 3にはロボタクシーに適した機能がいくつかあるかもしれませんが、ドライバー用に設計されたセダンであることに変わりありません。将来的に製造されるロボタクシー専用の車は、ドライバーのために搭載されている多くの高価でかさばる機能(ステアリングホイール、パワーシート)を不要にできるため、乗客にとってより快適で安価なものになるでしょう。

著者について

多くの人がゲスト寄稿者となっています。Real Simpleでは様々な分野の専門家から寄せられたゲスト寄稿を多数公開しています。

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