脱炭素社会への移行

オリックスは、太陽光や、バイオマス、地熱、風力などの再生可能エネルギーの普及に取り組み、世界各国で進む脱炭素社会への移行に貢献しています。国内の太陽光発電事業では2020年3月末時点で約1GWのプロジェクトを確保しており、日本でトップ規模の太陽光発電事業者となっています。これまでに培ったノウハウを生かし、海外での再生可能エネルギーによる発電事業をはじめ、環境エネルギー分野への投資にも取り組んでいます。

  • メガソーラー発電事業と屋根設置型発電事業の合計、うち稼働中は約910MW

再生可能エネルギー事業(日本)

メガソーラー発電事業

自治体や企業などが保有する国内各地の遊休地を賃借し、設備容量1,000kW(1MW)以上の大規模な太陽光発電所(メガソーラー)を建設し、運営しています。
建設から運転開始後20年間に及ぶ発電までプロジェクトは長期にわたり、その間多くのステークホルダーが関与します。オリックスは事業主としてそのすべてのマネジメントを行い、安全かつ安定した事業運営に努めています。

発電所を安定して運営していくためには、O&M(オペレーション&メンテナンス)が重要です。オリックスは太陽光発電所の保守・管理において高い信頼性を持つ事業者に業務を委託するとともに、遠隔監視システムを通じて各発電所の状況を常に把握し、高い品質と発電効率の維持に努めています。

屋根設置型太陽光発電事業

お客さまが保有する工場や倉庫など大型施設の屋根を賃借して太陽光発電システムを設置する、屋根借り方式の太陽光発電事業を行っています。地上設置型と異なり、屋根設置型の場合、造成や整地が不要で、屋根にパネルを容易に設置できることから、工期も短く早期に発電を開始できます。
お客さまのメリットは、本来収益を生まない屋根の有効活用や太陽光パネルの遮熱効果による施設内空調の効率改善、自家消費電源としての利用などがあります。
オリックスでは、施設の設計段階から屋根を活用した太陽光発電を提案したり、構造的に重いパネルを載せられない屋根には軽量パネルの使用を提案するなど、お客さまの施設の最大限の活用と効率的な発電を実現しています。
また、お客さまの保有施設にシステムを設置するため、施工会社の教育や監督をする専任担当者を設けて安全かつ確実な工事を行っています。発電システムの保守・管理については高い信頼性を持つO&M事業者を選定し、委託しています。
なお本取組は、オリックスグループで保有する商業施設などの屋根を活用した事業としても行っています。

再生可能エネルギーを利用した発電所の運営・管理・保守事業

2018年8月に、太陽光などの再生可能エネルギーを利用した発電所の運営・管理・保守を行うオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント株式会社(以下「OREM」)を設立し、全国84カ所、合計約446MW(2020年3月末時点)の発電能力を有する発電所の運営・管理を行っています。OREMは、オリックスがこれまでに再生可能エネルギーによる発電事業で培った知見を活用し、発電所のリスクを未然に防ぎ、正常な運転を継続できるよう保守点検業務を行うとともに、障害発生時には迅速な復旧対応で発電ロスを低減しダウンタイムの最小化を図ります。また、遠隔監視やデータ分析で発電状況を「見える化」することで、発電量の最大化を図ります。高度な専門性を持ったフルサービス型の発電所の運営・管理・保守事業を展開することで、再生可能エネルギーの普及に貢献していきます。

バイオマス発電事業

群馬県東吾妻町で国内材を燃料とした木質チップ専焼発電の「吾妻木質バイオマス発電所」を運営しています。木質チップ専焼発電は、木質チップ燃料をボイラーで燃焼させ、その蒸気熱でタービンを回転させて発電する方式です。化石燃料の代替としてバイオマス※1排出量の低減につながるだけでなく、サーマルリサイクル※2技術の活用により、環境に配慮した発電事業を実現します。設備容量は13,600kW(13.6MW)、2020年3月期の年間送電量は9,000万kWhです。
安定して電力を供給するためには、品質の良い木質チップの安定確保が重要です。発電所では、建設廃木材や剪定枝に加え、従来活用が進んでいなかった間伐材※3の利用も、東吾妻町や地元の森林組合と共同して取り組み、地域の森林整備※4や木質チップのリサイクル率向上につなげています。
また、燃焼灰の適切な処理も重要です。発電所では、燃焼灰の有効利用のためにリサイクル会社に処理を委託しています。リサイクル会社では燃焼灰を活用して道路の路盤材や、太陽光パネル設置架台への製品化を行っています。

    1. 化石資源を除く、再生可能な生物由来の有機性資源のことをいいます。これらのうち、木材由来のものは木質系バイオマスと呼ばれ、環境に優しい燃料として注目を集めています。
    2. 廃棄物を単に焼却処理するだけでなく、焼却の際に発生するエネルギーを回収・利用すること。
    3. 密集化する立木を間引く間伐作業で発生する木材のことをいいます。建築用建材には不向きで、有効利用の難しい木材とされています。
    4. 森林の持つ、国土保全、水源涵養、地球温暖化防止、木材等の林産物供給といった機能を維持するために行う植栽、保育、間伐などのこと。

関連リンク

風力発電事業

1995年に国内の陸上風力発電事業に出資して以降、蓄積してきた国内外での風力発電に関する知見を生かし、洋上風力を含めた風力発電事業の開発に向けて調査・検討を進めています。
・秋田県秋田市の「秋田新屋ウィンドファーム」(設備容量8.7MW)への出資
・千葉県銚子沖で、洋上風力発電の事業性検討中(海底地質調査等実施)

地熱発電事業

オリックスが運営している「別府温泉 杉乃井ホテル」(大分県別府市)では、自家用では国内最大規模となる設備容量1,900kW(1.9MW)の地熱発電所を保有・運営しています。こうした地熱発電事業と温泉旅館の運営ノウハウを生かして、全国数カ所で事業化を目指すとともに地域の発展にも貢献していきます。

現在推進している事業は以下の通りです。
北海道函館市南茅部地域において、設備容量6,500kW(6.5MW)程度の地熱発電所の建設に着手し、2022年初春の竣工、商業運転の開始を目指しています。
東京都八丈町と町内における地熱発電利用事業に関する協定を締結し、2022年に最大出力4,400kW(4.4MW)の地熱発電所の運転開始を計画しています。
そのほか東北地域、九州地域において、地熱発電所の建設に向けた地表調査が完了しており、順次、掘削調査の準備を行っています。

太陽光発電システム導入サポート

太陽光発電システム価格は世界的に導入が加速的に進み、発電当たりのコストは低下していますが、日本においてはまだ建設コストなどが高止まりの状態にあるため、世界的に見れば高い水準にあります。その一方、固定価格買取制度の改正やESG投資を背景に、これまでの売電利用から自己消費利用への流れが加速しています。
オリックスはメーカーからの設備の直接仕入れや全国の工事会社とのネットワークによるスケールメリットを生かし、割安な価格でお客さまの設備投資をサポートしています。オリックスは、複数メーカーからの設備機器選定やリース、割賦などお客さまに合わせた調達手法、さらに固定価格買取制度の事業計画認定取得、自家消費型太陽光向けの補助金制度申請のアドバイスなど、設置から導入後のメンテナンスまでご提供し、お客さまの円滑な設備導入を支援しています。

データ

販売パネル総容量 963MW(2020年3月末時点)

カーポート型太陽光発電設備販売

豊通ファシリティーズ株式会社と共同で、カーポート型太陽光発電設備(PVカーポート)を販売しています。太陽光架台業界で世界NO.1シェアを有するドイツの大手メーカーSchletter GmbH社製のカーポート型太陽光発電設備を日本の建築基準法に対応させ、日本での販売代理店として、導入のご提案から設計・施工、導入後のメンテナンスまでをワンストップでお客さまにご提供しています。
PVカーポートは、主に平置き駐車場のスペースを有効活用しながら太陽光発電設備を導入することができ、環境負荷の低減に寄与するだけでなく、遮熱効果や悪天候時の雨避けとして駐車場利用者の満足度向上につなげることができます。また、設備投資コストを売電収入や自家消費によるコスト削減で賄うことが可能となり、通常のカーポート導入と比較しても投資効率を高めることができます。

    • 本製品は、豊通ファシリティーズを中心とした数社のコンソーシアムが、日本オリジナル仕様を設計したもの。

コーポレートPPA(Power Purchase Agreement)

オリックスが、お客さまの保有する施設に太陽光発電設備、蓄電設備などを設置し、同設備から発電される電力をお客さまに供給するサービスです。お客さまは消費する電力量に応じ、サービス料金をオリックスにお支払いいただきます。契約期間満了後は、お客さまに設備を譲渡、または契約を延長することも可能です。
近年、ESGやSDGsなどを重要視した経営を目指す企業が増えるなか、初期投資負担なくCO₂の削減や電力コストの抑制をご要望されるお客さまのニーズにお応えします。
再生可能エネルギー発電の導入拡大に伴い、エネルギーの供給方法は、大規模な発電所から集中して電力が供給される「集中型」から、比較的小規模で地域に分散している電力を近接地で利用する「分散型」へとシフトする動きが世界的に広がっています。本サービスは、これまでエネルギー需要家であった工場・倉庫・店舗などが、太陽光発電施設や定置型蓄電池を設置・利用することで、新たなエネルギー供給者、かつ需要家となる分散型ネットワークを推進する取り組みです。
オリックスはこれまで再生可能エネルギー発電や供給事業者として、また家庭用蓄電池の提供者として培ったノウハウを生かして、新たな供給源の普及や効率的な電力消費を支援し、今後も分散型エネルギー供給の主要プレーヤーを目指します。

再生可能エネルギー事業(海外)

インドの風力発電事業

インドのインフラ開発・投資会社INFRASTRUCTURE LEASING & FINANCIAL SERVICE LIMITED (IL&FS) と共同で、風力発電事業に取り組んできましたが、2019年10月に、風力発電子会社の全株式を取得し、完全子会社化しました。
同事業では、インドの中でも風況が良い南西部の7州に風力発電所を開発し、2020年3月現在、合計23カ所(873.5MW)の発電所が稼働しています。発電した電力は、主に固定価格買取制度に基づいて州電力会社へ売電するとともに、一部は大口需要家へ売電します。
インド政府は、2022年までに合計175GWの再生可能エネルギーを導入する政策目標を掲げており、そのうち風力発電は60GWの導入を企図しています。インドにおける風力発電は今後も高い成長が見込まれることから、インドでの風力発電事業を強化していきます。

インドでの分散型太陽光発電事業

インドで、地元の中堅財閥のSUN Groupとともに分散型太陽光発電事業に取り組んでいます。
建物の屋根や小規模用地に太陽光発電設備を設置し、発電した電力を当該建物や用地で消費することが特長です。電力需要地の近くで発電することで送電ロスを抑えることができ、また、夜間や悪天候の日は電力会社からの電力を使用できます。
太陽光を活用した分散型電源は、小規模なスペースでも設置ができ、かつ多額な投資を要する送配電インフラの整備を必要としない地産地消型であるため、多くの無電化地域を抱えるインドでは、さらなる需要が見込まれています。
また昨今、電力需要家による再生可能エネルギー由来のグリーン電力調達ニーズも高まりつつあり、さらなる導入促進も期待されています。

ベトナムの水力発電事業

ベトナムの水力発電事業会社Bitexco Power Corporation(BPC)に資本参加しています。BPCは、2020年3月現在、ベトナム全土で20カ所の水力および太陽光発電事業を運営、建設しています。設備容量895,000kW(895MW)で、民間最大手の水力発電事業会社です。ベトナムでは、電力需要が年平均8.5%以上伸びており、2030年には2015年の3倍以上になると予想されています。このような中、旺盛な電力需要に対応するために、ベトナム政府は電力市場を段階的に自由化する方針を掲げており、オリックスは再生可能エネルギー事業や電力小売事業のノウハウを生かし、ベトナムにおいても幅広く事業を推進していきます。

米国の太陽光発電事業

ORIX Corporation USAでは、2020年3月時点で全米17州の104カ所で太陽光発電事業の施設を運営しており、想定される合計設備容量は145,000kW (145MW) になります。電力系統から独立して各地の電力会社にベースロード電源を供給する発電施設と、商工業施設内に設置して事業会社に自家消費用電源を供給する発電施設があります。

関連リンク

海外での地熱発電事業

世界における地熱発電開発は、北米、欧州のみならずアジア・アフリカ・中南米など新興国においても、化石燃料のように枯渇することなく、長期間にわたり安定した電力供給ができる再生可能エネルギー発電の方法として注目されています。
オリックスは、地熱発電事業などを手掛けるOrmat Technologies, Inc.(Ormat)に資本参加しています。
Ormat社は、地熱発電設備の設計・製造・販売・据付事業を行うとともに、自ら地熱資源開発および地熱発電事業を手掛ける、世界で唯一の地熱事業垂直統合企業体です。2020年3月現在、地熱発電設備は、全世界において設備容量約3,000,000kW (3,000MW)の累積導入実績を有し、バイナリー式の発電設備導入量においては世界トップとなる約7割のシェアを占めています。また、米国だけでなく中米やアフリカなどでも事業展開しており、2020年3月現在、914,000kW (914MW)の設備容量を保有しています。資本参加を通じてOrmat社と戦略的に提携し、主として日本およびアジア地域における地熱発電事業などを推進していきます。

関連リンク

ORIX UK:再生可能エネルギー市場をリードする欧州市場へ投資

2018年1月、英国ロンドンにORIX Corporation UK Limited(以下「ORIX UK」)を設立しました。ORIX UKでは主に再生可能エネルギー事業者への資本参加を通じて、同事業の基盤確立を目的に活動しています。再生可能エネルギー市場をリードする欧州市場への投資を通じ、グローバルでのさらなる事業拡大を推進していきます。

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