脱炭素社会への移行

オリックスは、太陽光や、バイオマス、地熱、風力などの再生可能エネルギーの普及に取り組み、世界各国で進む脱炭素社会への移行に貢献しています。国内の太陽光発電事業では2018年3月末時点で約1GWのプロジェクトを確保しており、日本でトップ規模の太陽光発電事業者となっています。これまでに培ったノウハウを生かし、海外での再生可能エネルギーによる発電事業をはじめ、環境エネルギー分野への投資にも取り組んでいます。

  • メガソーラー発電事業と屋根設置型発電事業の合計、うち稼働中は約700MW

再生可能エネルギー事業(日本)

メガソーラー発電事業

自治体や企業などが保有する国内各地の遊休地を賃借し、最大出力1,000kW(1MW)以上の大規模な太陽光発電所(メガソーラー)を建設し、運営しています。
建設から運転開始後20年間に及ぶ発電までプロジェクトは長期にわたり、その間多くのステークホルダーが関与します。オリックスは事業主としてそのすべてのマネジメントを行い、安全かつ安定した事業運営に努めています。

発電所を安定して運営していくためには、O&M(オペレーション&メンテナンス)が重要です。オリックスは太陽光発電所の保守・管理において高い信頼性を持つ事業者に業務を委託するとともに、遠隔監視システムを通じて各発電所の状況を常に把握し、高い品質と発電効率の維持に努めています。

屋根設置型太陽光発電事業

お客さまが保有する工場や倉庫など大型施設の屋根を賃借して太陽光発電システムを設置する、屋根借り方式の太陽光発電事業を行っています。地上設置型と異なり、屋根設置型の場合、造成や整地が不要で、屋根にパネルを容易に設置できることから、工期も短く早期に発電を開始できます。
お客さまのメリットは、本来収益を生まない屋根の有効活用や太陽光パネルの遮熱効果による施設内空調の効率改善などがあります。
オリックスでは、施設の設計段階から屋根を活用した太陽光発電を提案したり、構造的に重いパネルを載せられない屋根には軽量パネルの使用を提案するなど、お客さまの施設の最大限の活用と効率的な発電を実現しています。
また、お客さまの保有施設にシステムを設置するため、施工会社の教育や監督をする専任担当者を設けて安全かつ確実な工事を行っています。発電システムの保守・管理については高い信頼性を持つO&M事業者を選定し、委託しています。
なお本取組は、オリックスグループで保有する商業施設などの屋根を活用した事業としても行っています。

バイオマス発電事業

群馬県東吾妻町で木質チップ専焼発電の「吾妻木質バイオマス発電所」を運営しています。木質チップ専焼発電は、木質チップ燃料をボイラーで燃焼させ、その蒸気熱でタービンを回転させて発電する方式です。化石燃料の代替としてバイオマスである木質チップを燃料にすることで、CO2排出量の低減につながるだけでなく、サーマルリサイクル技術の活用により、環境に配慮した発電事業を実現します。最大出力は13,600kW(13.6MW)、2018年3月期の年間送電量は9,000万kWhです。
安定して電力を供給するためには、品質の良い木質チップの安定確保が重要です。発電所では、建設廃木材や剪定枝に加え、従来活用が進んでいなかった間伐材の利用も、東吾妻町や地元の森林組合と共同して取り組み、地域の森林整備や木質チップのリサイクル率向上につなげています。
また、燃焼灰の適切な処理も重要です。発電所では、燃焼灰の有効利用のためにリサイクル業者に処理を委託しています。リサイクル業者では燃焼灰を活用して道路の路盤材や、太陽光パネル設置架台への製品化を行っています。

  • 密集化する立木を間引く間伐作業で発生する木材のことをいいます。建築用建材には不向きで、有効利用の難しい木材とされています。

関連リンク

風力発電事業

次世代エネルギーとしての実用化にむけて、秋田県秋田市の「秋田新屋ウィンドファーム」(最大出力8.7MW)に出資しています。

地熱発電事業

オリックスが運営している「別府 杉乃井ホテル」(大分県別府市)では、自家用では国内最大規模となる最大出力1,900kW(1.9MW)の地熱発電所を保有・運営しています。こうした地熱発電事業と温泉旅館の運営ノウハウを生かして、全国数カ所で事業化を目指すとともに地域の発展にも貢献していきます。

現在推進している事業は以下の通りです。
北海道函館市南茅部地域において最大出力6,500kW(6.5MW)程度の地熱発電所の建設に向けて調査を進めています。
青森県青森市、青森県下北郡風間浦村、岩手県八幡平市においても同様に地熱発電所の建設に向けた地表調査が完了しており、順次、掘削調査の準備を行っています。
また、東京都八丈町と町内における地熱発電利用事業に関する協定を締結し、2022年に最大出力4,400kW(4.4MW)の地熱発電所の運転開始を計画しています。

太陽光発電システム導入サポート

メーカーからの設備の直接仕入れや全国の工事会社とのネットワークによるスケールメリットを生かし、割安な価格でお客さまの設備投資をサポートしています。オリックスは、複数メーカーからの設備機器選定やリース、割賦などお客さまに合わせた調達手法、さらに固定価格買取制度の事業計画認定取得、自家消費型太陽光向けの補助金制度申請のアドバイスなど、設置から導入後のメンテナンスまでご提供し、お客さまの円滑な設備導入を支援しています。

データ

販売パネル総容量 835MW

カーポート型太陽光発電設備販売

豊通ファシリティーズ株式会社と共同で、カーポート型太陽光発電設備(PVカーポート)を販売しています。太陽光架台業界で世界NO.1シェアを有するドイツの大手メーカーSchletter GmbH社製のカーポート型太陽光発電設備を日本の建築基準法に対応させ、日本での販売代理店として、導入のご提案から設計・施工、導入後のメンテナンスまでをワンストップでお客さまにご提供しています。
PVカーポートは、主に平置き駐車場のスペースを有効活用しながら太陽光発電設備を導入することができ、環境負荷の低減に寄与するだけでなく、遮熱効果や悪天候時の雨避けとして駐車場利用者の満足度向上につなげることができます。また、設備投資コストを売電収入や自家消費によるコスト削減で賄うことが可能となり、通常のカーポート導入と比較しても投資効率を高めることができます。

  • 本製品は、豊通ファシリティーズを中心とした数社のコンソーシアムが、日本オリジナル仕様を設計したもの。

再生可能エネルギー事業(海外)

インドで風力発電事業に参画

インドのインフラ開発・投資会社INFRASTRUCTURE LEASING & FINANCIAL SERVICE LIMITED (IL&FS) と共同で、風力発電事業に取り組んでいます。
インドの中でも風況が良い南西部の7州に風力発電所を開発し、2018年3月現在、合計20カ所(745.6MW)の発電所が稼働しています。発電した電力は、主に固定価格買取制度に基づいて州電力会社へ売電するとともに、一部は大口需要家へ売電します。
インドでは、COP21(気候変動枠組条約第21回締約国会議)において、2030年までに総発電量の40%を化石燃料以外の電源とすることを公約しています。その達成に向けて、2022年までに太陽光発電で合計出力100,000MW、風力発電で合計出力60,000MWを導入する目標を掲げています。

インドでの分散型太陽光発電事業

インドで、地元の中堅財閥のSUN Groupとともに分散型太陽光発電事業に取り組んでいます。
建物の屋根や小規模用地に太陽光発電設備を設置し、発電した電力を当該建物や用地で消費することが特長です。電力需要地の近くで発電することで送電ロスを抑えることができ、また、夜間や悪天候の日は電力会社からの電力を使用できます。
太陽光を活用した分散型電源は、小規模なスペースでも設置ができ、かつ多額な投資を要する送配電インフラの整備を必要としない地産地消型であるため、多くの無電化地域を抱えるインドでは、さらなる需要が見込まれています。

ベトナムの水力発電事業

ベトナムの水力発電事業会社Bitexco Power Corporation(BPC)に資本参加しています。BPCは、2018年3月現在、ベトナム全土で19カ所の水力発電事業を運営、建設しています。最大出力988,000kW(988MW)で、民間最大手の水力発電事業会社です。ベトナムでは、電力需要が年平均10%以上伸びており、2030年には2015年の3倍以上になると予想されています。このような中、旺盛な電力需要に対応するために、ベトナム政府は電力市場を段階的に自由化する方針を掲げており、オリックスは再生可能エネルギー事業や電力小売事業のノウハウを生かし、ベトナムにおいても幅広く事業を推進していきます。

米国の太陽光発電事業

IGS Solar社と提携して、商業施設や学校などの屋根および土地に太陽光パネルを設置し、発電した電気を当該施設などに販売する事業を行っています。パネルは、2018年3月時点で全米9州の43カ所の施設や土地に設置済みまたは建設中で、想定される合計最大出力は44,000kW(44MW)となります。

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海外での地熱発電事業

地熱発電事業などを手掛けるOrmat Technologies, Inc.(Ormat)に資本参加しています。
Ormatは、地熱発電設備の設計・製造・販売・据付事業を行うとともに、自ら地熱資源開発および地熱発電事業を手がける、世界で唯一の地熱事業垂直統合企業体です。2018年3月現在、地熱発電設備は、全世界において最大出力約2,500,000kW(2,500MW)の累積導入実績を有し、バイナリー式の発電設備導入量においては世界トップとなる約82%のシェアを占めています。また、米国だけでなく中米やアフリカなどでも事業展開しており、2018年3月現在、800,000kW(800MW)の設備容量を保有しています。資本参加を通じてOrmatと戦略的に提携し、主として日本およびアジア地域における地熱発電事業などを推進していきます。

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環境エネルギー分野への投資事業

アジアで環境エネルギー投資ファンドの運営に参画

オリックスは、グループの資産運用会社Robeco Institutional Asset Management B.V. (RIAM)とアジア開発銀行(ADB)と共同で、Asia Climate Partners(ACP)の運営に参画しています。ACPは、アジア地域における環境改善や低炭素化関連の企業を投資対象とする専門ファンドとして最大規模のプライベート・エクイティ・ファンドです。国内外の政府機関や銀行、保険会社などがACPの投資家として参加しています。香港に拠点を置く専門チームが、中国、インド、東南アジアの再生可能エネルギーや資源利用の効率化、環境ビジネスを手掛ける企業への投資を検討しています。
アジア経済は世界の中でも高い成長を遂げている一方で、大気・水質汚染、電力・食糧不足、エネルギーや天然資源の非効率的な利用など、世界の中でも深刻な環境課題に直面しています。これらの課題に対して政府・民間の双方からの関心が高まっていることや、同分野における投資額はまだまだ低い水準であることから、アジア地域での環境エネルギー分野への投資は、今後数十年間にわたり、経済成長率を上回るレベルで伸長することが見込まれています。

投資実績(2018年3月末)

インドの冷凍・冷蔵物流会社 ColdEX Logistics Pvt. Ltd
アジアで広範囲に活動する蓄電池製造会社 Fluidic, Inc.
インドの風力発電事業者 Skeiron Renewables
中国の太陽光発電事業者 Panda Green Energy Group Limited.

インドではその苛酷な気候に対して脆弱な冷蔵物流インフラから、サプライチェーンの途中でまだ食べられる食品が捨てられてしまうフードロスが大きな問題となっています。ACPではColdEXの成長を加速することにより、対象地域の食糧問題の解決に寄与しつつ、高い成長余力のある同社への投資で収益の獲得を目指しています。

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米国蓄電池会社への出資

米国の大容量定置型蓄電池の研究開発・製造を手掛けるUniEnergy Technologies LLC (UET)に資本参加しています。UETは、米国エネルギー省パシフィック・ノースウェスト国立研究所(PNNL)で新型電解液を発明した研究者2名が2012年に設立したベンチャー企業です。UETが開発した次世代バナジウム電池は、現状の蓄電技術の中でも「長時間放電が可能」「大容量化が容易」「寿命が長い」といった特徴があり、電解液のエネルギー密度を大幅に高めることで、これまでの技術では弱点とされていたバナジウム電池の「省スペース化」に成功しています。
米国では、政府の推進による再生可能エネルギー発電の拡大に伴い、天候などに左右されやすい電力の供給を安定させる大型蓄電池の導入が進んでいます。また、ピーク時の電力使用量に従って追加課金されるデマンドチャージ※1を抑制するために、商業ビルなどの大規模電力需要者が蓄電池を活用して、電力料金を低減させる動きも活発化しています。これらを背景に、米国も含めた世界の大型蓄電池の市場規模は2025年に2016年比で約5倍にまで拡大すると予測されています。※2
UETは、主に欧米市場での拡販を図るとともに、将来的には日本での事業展開も視野に入れています。

  1. 米国の電気料金制度でピーク需要に対して付加的な料金を加算される仕組み。電気料金合計の30~70%を占めるため、削減ニーズが高い。
  2. 出典:株式会社富士経済「住宅用、非住宅用、系統設置用、各用途で大幅な拡大が予想される電力貯蔵システム向け二次電池の世界市場を調査」(2017年5月8日)

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