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事業の醍醐味

プロジェクトストーリー(1)<br>グループ基幹システム再構築 グループ基幹システム再構築への挑戦は、当社の新たなビジネスモデル構築への挑戦でもあった。

澤田 貴章(システム社改革グループ/マネージャ)

澤田 貴章(システム社改革グループ/マネージャ)

理学部数学科を卒業し、1998年4月オリックス・システムに入社。数々のシステム案件を経験後、グループ基幹システム再構築プロジェクトに参画。今回の大規模プロジェクトでは準備段階である企画・リサーチから関わった中心人物の1人。

プロジェクト概要
グループの中核企業であるオリックス(株)、オリックス自動車(株)を中心に、今後グループ各社が利用することになるであろう基幹システム(核となるシステム)を30年ぶりに再構築することに。
オリックス・システムとしても設立以来最大級の規模となる、足掛け5年超の大規模プロジェクト。

まるで「スパゲッティ状態」だった旧基幹システム。

30年前からあるシステムなので、調査も難航しました
「30年前からあるシステムなので、調査も難航しました」

金融分野だけでなく幅広く事業を展開するオリックスグループ。実はその多彩なサービスの裏側で課題となっていたのが基幹システムの再構築だった。旧システムが立ち上がった30年前から、事業サービスが拡大するたびにさまざまなシステムが追加増設されてきた。当時の技術ではスタンダードな手法ではあったが、増築に増築を重ねた結果、システムが複雑に絡まり合った「スパゲティ状態」となってしまっていた。

改革グループマネージャの澤田は当時のことをこう振り返る。「システムの一部を直そうとすると、全く別の思いがけない箇所で不具合が出てくる。これではコストも手間もかかりすぎるし、何と言ってもオリックスグループ最大の武器の一つである事業のスピード感が出ない。絶対に再構築すべきでした」。

このような背景でスタートしたのが、グループ基幹システム再構築プロジェクトだった。2008年8月から基幹システムの再構築への調査を開始。約1年半の調査期間を経て、2010年4月から開発がスタートした。

初めての開発手法にチャレンジ。

この件はグループの未来にとって、重要な課題でした
プロジェクトオフィス内。多くのスタッフがコミュニケーションをとりながら業務を進める。

開発手法として採用されたのが、「繰り返し開発」と呼ばれる手法だ。当時IT業界では、「アジャイル開発」という小規模システムの開発手法が注目され始めていた。最後まで作り込んでからレビューするのではなく、小刻みに反復・レビューしながら機能を追加し、完成させていく手法だ。これだと軌道修正など柔軟な対応が可能で、最終的なリスクが少なくなる。

今回プロジェクトチームは、この小規模案件向けの発想を、5年がかりの大型プロジェクトに持ち込もうとした。オリックスグループは事業スピードが速く、長期間かけて綿密にシステムを設計・構築したとしても途中で要求が変わるかもしれない。ならば粗くてもいいから短期間でパイロット版システムを作り、実際に動かしてみてユーザーの要望を聞きながら徐々に精度を上げていこうという狙いだ。

澤田は「グループトップの経営会議でこの手法を提案し、何度もダメ出しを受けながらもGOサインが出たときは、本当にうれしかったですね」と振り返る。

プロジェクトメンバーで運動会も開催。

運動会の様子。手前の白いTシャツは社長の植木。
プロジェクトの行動規範。常に目に見えるところに掲示された。

「繰り返し開発」の手法では、精密な設計図をあえて作らない。だからこそ複数の人間で1つのシステムを開発する際に欠かせないのが、メンバー間で常に会話・相談しながら作業を進めていくことだ。メンバーそれぞれが好き勝手に作業を進めては、システムは一体にならない。しかし、徐々に開発ラインも増え、関わるメンバーも増大する中でコミュニケーションは阻害されていく。

そこで、プロジェクトの統括であるユーザー部門のプロジェクトマネージャーとシステム部門のプロジェクトマネージャーである植木(現オリックス・システム社長)の両トップが打ち出したのが、「運動会」の実施だ。

「プロジェクトを円滑にするための飲み会を開くのはよく聞きますが、運動会というのは初めて聞きました」と澤田。各チームから準備委員も選抜され準備は着々と進み、最終的には参加者100名以上の規模の運動会となった。「実際、この運動会を機に業務にて気軽に話せるメンバーがとても増えました。既存の考えにとらわれず、こんな企画を思いつき、実行に移した両マネージャーには脱帽です(笑)」

新基幹システムで、オリックス・システムの事業モデルが変わる

運動会の様子。手前の白いTシャツは社長の植木。
「事業モデルが変わることで、私たちのやりがいもさらに増していきます。」

2012年7月、協力会社あわせて数百人もの人間が関わった新基幹システムの一次リリースが無事終了した。今はフロント向け各アプリケーションのリリースが目前に迫っている状況だ。この新基幹システムは今後15年、20年とオリックスグループのビジネスを支えていくことになる。

そして、新基幹システムはオリックス・システムのビジネスモデルまで進化させることになる。従来オリックス・システムは、グループ各社の要求に基づいてシステムの企画・開発・運用を実行する業務フローであり、グループ各社にはその要求に沿った「システム」を提供していた。しかしこの再構築プロジェクトにてオリックス・システムの価値を改めて見つめ直し、今後は自分たちで企画立案の上、システムを開発し、グループ各社に質の高い「サービス」を提供する新しいオリックス・システムへ変貌しようとしている。

澤田「これからは要望に応えるだけではなく、必要なサービスをこちらから考え、提案していくことになります。ユーザー系システム会社として、現場の声をきちんと聞いて理解する力は引き続き必要ですが、今後は世の中全体を見ながら真に価値あるシステムを作り上げていく力が問われていくでしょう」。

新基幹システムの基本構造

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